Vol. 02CANAL GATE CITY プロジェクト(ルネ市原八幡宿)
Canal Gate City Project
地域の暮らしの楽しみ、豊かさを深める
GOOD DESIGN 賞受賞「みなさと」プロジェクト
- 千葉県市原市
- 2022年竣工
- 219戸
都市型生活と憧れの田舎暮らしを両立
入居者の「ふるさと」になる共用部Overview
Renai’s Value 2付加価値のある暮らしづくり
水と緑に恵まれた古民家が「別荘」に
里山暮らしを定期的に体験
自然豊かな環境で里山暮らしを体験できる「みなさと」は、都心では味わえないゆったりとした時間を提供します。古民家をリノベーションし、地域住民と関係を築きながら安心安全な空間を実現。虫取りや焚き火などの体験を通じて、都市部の人々に自然とのふれあいの場を提供する新しい取り組みです。
Renai’s Value 4人と街と環境にやさしい暮らし
再生古民家を活用した
地域コミュニティの創出
中山間地域の人口減少や空き家増加といった地域課題に直面し、「都市と中山間地域の交流」を目指すプロジェクトが生まれました。地域おこし協力隊から提案された「シェア別荘」のアイデアを基に、再生古民家を活用した「みなさと」が誕生。課題感と問題意識を結集し、新たな地域コミュニティの形を創出しています。
八幡宿から駅徒歩9分の「ルネ市原八幡宿」は、「暮らしを楽しむ」仕掛けを多数用意している。共用部としてカフェラウンジやランドリールームを設置したり、家族や友人で楽しめるパーティルームや、遠方の方の一時宿泊も可能なゲストルームなどコミュニティを重視したマンションだ。その中でも共用施設「みなさと」は再生古民家を活用した地域コミュニティの創出を狙いとした新しい取り組み。
Interview
岩月 祥子
分譲事業部 マンション開発部 開発1課 主任
ルネブランドマンション開発を担当。
2020 年グッドデザイン賞を受賞した「ルネ横浜戸塚」コワーキングラウンジでは、コロナ前から共用部にワークスペース導入を企画立案、プロデュースなどに携わる。
緑と水辺に囲まれた魅力的な地で、
郊外ならではの「暮らしを楽しむ」Enjoying life Surrounded By Nature
千葉県市原市の地に建つ〈ルネ市原八幡宿〉のコンセプトは、「暮らしを楽しむ」。プロジェクトに携わった岩月が、そのコンセプトに至った経緯を語る。 「ゆったりとした時間が流れる土地だからこそ、都心では体験できない暮らしの楽しみ方があるのではないか?という発想から企画が始まりました。そのためにまず必要なことは利便性であると考え、商業施設に隣接し、駅にも近いこの地を選びました。周囲にはマリンハーバーや海釣り公園があったり、山々を小湊鐵道が走り抜けていたりと、緑と水辺に囲まれた自然豊かな環境も大変魅力的でした」。
八幡運河方面から望んだ現地周辺の風景。緑と水に囲まれた癒しのエリアになっている(2020年12月撮影)
ウェルカムゲートウェイにはキッチンカースペースもご用意
マンションの共用部には、家族や友人を呼べるゲストルームやパーティールーム、子どもが外遊びで泥んこになっても安心なランドリールームなど、居住者にとって嬉しい「暮らしを楽しむ」ための仕掛けを数多く用意した。
「地域の方がキッチンカーでマルシェを開くことのできるスペースをエントランスに設けたり、敷地内に車やバイクのメンテナンスができる『カーライフ・ステーション』を設置するなど、地元企業や市役所をはじめ、地域の方々にご協力いただいて実現できたサービスが多くあります」。地域の協力体制により、多くのサービスが実現できたようだ。
お布団やアウトドア用品など、ご家庭での洗濯が難しいものも丸洗いできる
趣味のイベントや、お子さまの誕生日パーティなど、「暮らしを楽しむ」空間
地元の方との対話と地域課題から生まれた
「みなさと」プロジェクトAbout The Launch Of “Minasato” Project
岩月が何度も現地へ足を運び「ここはどのような街なのか」と理解を深めていく中で、見えてきたものがあったという。「『線路の周辺は人が集まっているけど、少し山奥にいくと急に人がいない』と市役所の方が話しており、中山間地域の人口減少や、それに伴った空き家の増加という地域課題があると知りました。そのような課題を目の前に、『マンションを建て、利便性の高い都市部に人を呼び寄せるだけで本当に良いのか?』という問題意識が私たちにも生まれ、『都市と中山間地域との人の交流を作りたい』という話が出てきました」。
古民家を再生したシェア別荘「みなさと」
こうした課題感から、どのようにシェア別荘「みなさと」のプロジェクトへと具体的に繋がっていったのだろうか。
「地域おこし協力隊の方が『別荘はどうですか?』と仰ってくださったのがきっかけでした。その場で『えっ、面白そう!』と思ったのですが、それと同時に『実現するのは難しそうだな』とも感じていました。ただ、市役所で伺った地域課題であったり、私たちの持つ問題意識を積み重ねていくと、この『別荘』という考え方がまさに今やるべきことなのではないか?と、具体的な企画として進んでいきました」。
自治体・地域との協働で作り上げた
「みなさと」での交流Regional Exchange in “Minasato”
実現に向けた具体的な動きとして、「地域おこし協力隊」と市原市の古民家再生と活用・運営に携わる「合同会社開宅舎」との協働体制を構築。しかし、中山間地域にマンション共用部としての「別荘」を作るという取り組みは前例がないだけに、様々なハードルがあったという。
「まず、開宅舎さんと協働して古民家の選定から進めていく中で、『知らない人が騒いだりするのがすごく怖い』という周辺住民の声を伺ったことがありました。そのような不安を少しでも取り除いていただくためにも、何度も現地に通いながら徐々に関係性を築いていきました。今では、住民の方から『ここ空いてるから何かに使えない?』という情報が数多く入るようになっています。そして、古民家としての安全性確認に加えて多くの手続きがありました。大変ハードルは高かったのですが、社内でも様々な部署にバックアップいただき、実現に向け一丸となってプロジェクトに取り組むことができました」。
木漏れ日が降り注ぐ和室からは美しい庭が眺められる
清掃時の様子。たくさんの地域の方々にご協力いただいた(2022年撮影)
古民家の再生だけでなく、地域交流や発信の場としてのイベント企画もできる体制を整えていった。
「地域の方々の協力を得て、『みなさと』の清掃やリノベーションも一緒に進めていくことができました。また、近隣には開宅舎さんがいてくださったので、何かあってもサポートしていただける状況が成り立っており、大変ありがたかったです」。
さらに、岩月にとって印象的なエピソードがあったという。
「実際に「みなさと」を利用して、『初めて虫取り網を持った』というお子さんがいて驚きました。自然に触れ合う機会の少ない都市部の人に対して「みなさと」が持つ役割を感じました。
まだ清掃段階だったのですが、私も実際に宿泊しました。外で焚き火やBBQをしたり、グランピングのような使い道もでき、都心では体験できないゆったりとした時間を過ごすことができました」。
夜には焚き火の音と会話だけの空間で日が落ちるのをゆっくりと眺められる(2022年撮影)
「暮らしを楽しむ」を地域貢献にする、
デベロッパーとしての使命感Mission As A Developer
「みなさと」は、住宅供給と空き家活用、中山間地域の里山再生を同時に解決するという事業スキームが評価され、2022年度グッドデザイン賞を受賞することとなった。
「先ほどお話しした通り、『みなさと』プロジェクトは地域の方との会話の中で浮き彫りになってきた課題感からスタートしています。その解決に向けた社会貢献をしながら、マンション周辺地域の方も含めて幸せになってもらえるような取り組みを企業として目指すことができたのではないかと思います。
分譲マンションデベロッパーの立場として抱えた『人を呼び寄せること以外に何ができるのか』という問題意識に対しても、古民家の再生という『壊して作る』だけではないところに投資するという先駆け=1つの答えを生み出せたのではないかと考えています」。
日本家屋の居間は土壁や畳の香りのするどこか懐かしい空間
地域の方との対話を大切にし、
想いを未来へ繋げていく「ルネ」の精神Connecting To The Future
自治体・地域との協働体制が大きな力となった「みなさと」プロジェクト。共に課題に取り組んだことで、「地域をより良くしたい」という想いがさらに強くなったと岩月は語る。 「目線を合わせてコミュニケーションをとり、初めて見えてくるものがあると感じています。地域に思い入れのある方々との対話から『想い』を丁寧に汲み取り、それを企画やサービスへ繋げていくことが、ブランド精神である『街と暮らしと未来のために。』の根幹となるのではないかと思います。
緑豊かな環境に建つ〈ルネつくばローレルコート〉では、敷地内に根ざした樹木を保全しています。こちらも、土地の記憶を未来へ継承する取り組みの1つに挙げられると思います。
また、地域の方が気づいていない魅力を見つけて伝えることも総合地所として必要なアプローチであると考えています。その土地のポテンシャルを最大限に引き出しながら、必要なものを提案し、創出していくことが総合地所の『ルネ』ブランドの良さであり、地域への貢献に繋がっていると信じています」。
高さ約19mにおよぶ欅は、エントランスに続く車回しのシンボルツリーに活用
ルネつくばローレルコート|周囲の街並みや既存樹に調和するアースカラーのファサードでクラシカルとモダンを融合させた「RENAI MODERN」を表現
物件概要Outline

CANAL GATE CITY
(ルネ市原八幡宿)
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竣工年月
2022年9月
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交通
JR内房線「八幡宿」徒歩9分
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構造
鉄筋コンクリート造地上14階建
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敷地面積
7743.62㎡
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総戸数
219戸
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専有面積
60.41㎡ ~ 100.63㎡
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間取り
2LDK ~ 4LDK
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共用施設
コーチエントランス/テレワークスペース/カフェラウンジ/パーティールーム/ゲストルーム/ランドリールーム/エントランスホール/カーライフ・ステーション/ みなさと(入居者専用別荘)